国内や海外でスポーツトレーナーやセラピストとして活躍される方からよくうかがう悩みは「選手が何を言っているか分からない!」です。
例えば “My knee gave way” (膝折れした)や、”I feel queasy” (気持ちが悪い)”My legs feel clumsy” (足が不器用な感じがする、うまく扱えない)など患者さんが日常的に使うフレーズや言い回しは教科書に載っていないので聞いたことがない方も多いのではないかなぁと思います。
また、関節の症状の単語(音が鳴る、腫れる、不安定な感じがする、こわばるなど)も教科書にはなかなか載ってないです。
実際に英語で「肩がこわばってるんです」って言える人は少ないと思います。
あと、「右足に力は入りますか?」や、「前かがみになってください」、「うつぶせになってください」などのフレーズも直訳しても伝わりにくい(いや、伝わらないかもしれない)フレーズです。
なのでこの記事では一部有料でスポーツ問診の際にネイティブの私が実際に使っているフレーズを紹介しようと思います。音声も含まれているのでぜひ覚えて使ってみてください。
「型」を覚えることで実際に問診をする際に言葉に詰まる、次聞きたいことはあるんだけどどう聞いたらいいか分からない、患者さんが何を言っているのか分からないという状況を脱して、英語で問診、治療できるようになりましょう.
”What happened?”はダメ?!どうされましたか?のフレーズ
「どうされましたか?」という日本語表現、直訳すると、What happened?になりますが、実はこのフレーズ、ちょっとシリアスに聞こえるんですよね。
日本語で言うと「なにがあったの!?」っていうニュアンスです。
ここでは、「どうされましたか?」のフレーズを3つ、私が実際に現場で使っているものを紹介します。
What brings you in here today?
(どうされましたか?)
→直訳すると何があなたをここに連れてきますか?という意味になります。
ニュアンスは日本語の「どうされましたか?」と同じです。
What can I do for you?
(なにをいたしましょうか?)
→直訳すると、私はあなたのために何ができますか?という意味です。
How can I help you?
(どのような御用でしょうか?)
→海外のレストランなどでもよく使われるので、日本人の方には聞きなじみのあるフレーズかなと思います。
“Hi, nice to meet you. My name is…” の次に続くフレーズ3つ、参考になれば嬉しいです。ぜひ声に出して練習してみてください。
怪我の詳細を聞き出すフレーズ7
「どうされましたか?」という開放的な質問である程度情報を得た後は怪我や症状の詳細を聞き出す必要があります。私が日々使っているフレーズを紹介します。
Where does it hurt?
(どこが痛みますか?)
Can you point to where it hurts?
(痛むところを指してもらえますか?)
→リスニングに自信のない場合は実際に指で指してもらうことで視覚的に理解できるのでおすすめです。
From 0 to10, with 0 being no pain at all and 10 being the worst pain imaginable, how would you rate your pain right now?
(0から10まで、0はまったく痛くない状態で、10は想像できる中で最もひどい痛みだとすると、今の痛みの程度はどれくらいですか?)
→少し長いフレーズですが、治療のアウトカム測定によく使うフレーズです。
このフレーズは3つに区切って、一秒間くらいの間を置きながら発音するのをおすすめしています。
From 0 to10 (間)with 0 being no pain at all (間)and 10 being the worst pain imaginable(間)how would you rate your pain right now?
Do you have any pins and needles or numbness?
(しびれはありますか?)
日本語ではピリピリする感覚と、感覚が薄れるのを合わせて「しびれ」と表現しますが、英語では
Pins and needles ピリピリする感覚
Numbness 感覚が薄れる、なくなる
と別々の表現があります。
Numbnessは全く感覚のない状態や、感覚が薄れている状態どちらとも指すので、”I have numbness” と患者さんが言及した場合、Numbness(しびれ、無感覚)の程度を聞き出す必要があります。その場合は、
“How numb is it?”
(どの程度のしびれですか)
が使えます。
What makes the pain worse?
(なにをすると痛みが増しますか?)
→悪化要因を聞き出すフレーズです。
What makes the pain better?
(なにをすると痛みが軽減しますか?)
→改善要因を聞き出すフレーズです。
音声はこちら
ACL損傷のリスクスクリーニングのフレーズ7
「型」の紹介
よく使う言い回しをここでは「型」と呼んでいます。ぜひ、「型」を使って、自分のフレーズを作ってみてください。
”Did you experience…”
(○○はありましたか?)
→直訳すると”○○を経験しましたか?”という意味になりますが、○○はありましたか?という感覚で使われます
At the time of the injury
(怪我をしたとき)
Straight away afterwards
(直後)
それではフレーズに入っていきましょう
ACL損傷を疑う際に聞くこと7
Did you experience a sudden twist in the knee?
(急なひねりはありましたか?)
→Suddenは急な、Twistはひねりという意味です
Were you changing direction at the time of the injury?
(怪我をしたとき、方向転換していましたか?)
→At the time of the injury、怪我をしたときという意味です。よく使う言い回しです!
Did you experience any sudden impact?
(急な衝突はありましたか?)
→Impact (インパクト)は日本でも馴染みのある英単語ですね
At the time of the injury, did your knee give way?
(けがをしたとき、膝折れしましたか?)
→Knee give wayは膝折れという意味です。
Give wayは譲るという意味がありますが、My knee give wayやMy knee gave wayは膝折れする、膝折れしたという意味で使われます。
Were you able to weight bear straight away afterwards?
(直後に足に体重をかけることはできましたか?)
→Weight bear (荷重)という意味です。
Weightは重さ、体重、Bear は耐える、という単語が合わさって、Weight bear (荷重をかける)という意味になります。
Did your knee swell up straight away?
(直後に膝の腫れはありましたか?)
→Swell up(腫れ)、Straight away(直後に)という意味です。
→Swell upは通常状態から腫れる、膨張する過程もニュアンスに含まれているのに対し、Swellは腫れている状態だけを指す言葉です。
Did you experience any brusing at the time of the injury?
(怪我をしたとき、あざはできましたか?)
→Bruising(あざ、打撲傷)
音声はこちら
脳震盪のリスクスクリーニングのフレーズ
Can you tell me your name?
お名前は何ですか?
Do you know where you are right now?
いまどこにいるか分かりますか?
Do you feel dizzy or nauseous at the moment?
めまいや吐き気はありますか?
→Dizzy めまい
→Nauseous 吐き気
Did you lose consciousness?
意識は失いましたか?
→Consciousness意識
Do you have a headache?
頭痛がありますか?
音声はこちら
痛みの種類8
- Sharp pain 鋭い痛み
- Shooting pain 鋭い、急激かつ強烈な痛み
Sharp painもShooting painも同じ意味で使われることが多く、”Sharp, shooting pain” と混合して表現される場合も多いです。
- Stinging pain ひりひりする痛み
- Ache 痛い、うずく
- Dull ache 鈍痛
- Throbbing pain ずきずきする
- Radiating pain 広がる痛み
- Pinching pain つまむような痛み
音声はこちら
関節の症状8
My knee gives way
膝折れする、膝カックン
My knee locks
膝が予想外に動かなくなり、特定の位置で固まるとき
「膝がロックする」や「膝が固まる」といった意味
My knee catches
膝がひっかかる、留まる、つっかえるといった意味
My knee grinds
膝がギシギシと音を立てる
My knees feel stiff
膝がこわばる、硬い感じがするという意味。
My knee clicks
膝が鳴る、膝が動く際にクリック音やポップ音が発生する症状
My knee feels unstable
膝が不安定な感じがする
My knee is swollen
膝が腫れる
関節の症状.m4a
スポーツ問診の際の役に立てれば嬉しいです。
ぜひ使ってみてください。
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